#02 南阿蘇の自然食料理家・かるべけいこさん

「自然食料理家」として、南阿蘇にある築60年の古民家で、自然食の料理教室などを主宰されているかるべけいこさんにお話を聞いてきました。
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元々料理が好きだったというかるべけいこさんが最初に目指したのは、栄養士。
その理由は、「給食がおいしくなかったから」。子どもたちにおいしいものを食べさせたいという、シンプルな思いからのことでした。
栄養士になる勉強をしながら、かるべさんが最初に携わった「食」の仕事は、学生時代にアルバイトで始め、やがて正社員として従事した飲食店での勤務でした。かるべさんが働いていたのは、現在は夫であり、百姓で写真家の野中元(はじめ)さんが社長を任されていた飲食店チェーン。
しかし、効率や原価率を重視するあまり、料理を提供する行程がすべてマニュアル化され、味も徐々に落ちていき、大好きな料理をしていても楽しくなくなってきたそうです。

それから一年もしないうちに外食産業の在り方に疑問をもった野中さんは、やがて自給自足の自然農法に興味をもつようになり、かるべさんに「一緒に田舎ぐらしをしようと」もちかけました。
「食べる人においしいと思ってもらえて、かつ、作り手も楽しいと思える料理を作れるなら」と、共にわくわくしたというかるべさん。ほどなくして、ふたりは家探しを始めます。

それでも自分たちが望む暮らしはこれだ、と確信を持ち、働いていたお店を辞めたとき、かるべさんはまだ24歳という若さでした。
元々福岡出身のかるべさんと野中さん。
「どうして福岡じゃなくて熊本に探したんですか?」とかるべさんにお尋ねしたところ、立地や金銭的な条件はもちろんありましたが、一番は「修学旅行で阿蘇に遊びにいったとき、とってもいい、素敵なイメージを持ったから」とのこと。栄養士になろうと思った理由「給食がおいしくなかったから」といい、たいせつなことをシンプルに判断された末、現在のかるべさんと野中さんご夫婦があることが窺えます。

「別に誰かに喜んでもらおうとか、儲けたいとか、一切思ったことはないんですよ。今までずっと自分たちが楽しいと思うことをやってきて、わたしたちがやっている色々なことに共感する方が徐々に集まってきてくださるようになったので、自宅に招いておもてなししている、というぐらいの話です」とかるべさんと野中さん。
それでも本を出版できるってすごいことですよ、とお伝えすると「好きなことをやってるだけですから」とおふたりはやわらかく笑います。

「夢というより、毎日を丁寧に生きること。その積み重ねでこれまで思いもしなかったことができるようになってきました。これからもそれは変わりません。二人の子どもたちと一緒に、いつも楽しく過ごせることが一番です。」という言葉が返ってきました。
使い古された言葉ではありますが、名実ともに「自然体」で日々の暮らしを営むかるべさんと野中さん。これからも野中家に集まる人たちは、増え続けていきそうです。
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*かるべけいこさんの自然食を食べられる「9.6南阿蘇村ツアー」についてはこちら
感激のおいしいお料理と9月6日のツアー報告はこちらへフォトラバ画像をクリックしてご覧ください。
*かるべけいこさんが出版したレシピ本は こちら
*野中家のサイトは こちら
Posted by フルスプ**fleursoupe**
│このひとに逢えちゃった!
#01「青柳」の若女将 倉橋恭加さん

くまもとの老舗料理店の若女将は、そのたたずまいも生きかたも、
実に凛としたひとでした。
創業59年目を迎えた熊本市下通の郷土料理店「青柳」の若女将、
倉橋恭加さんにお話を聞いてきました。
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「青柳」の2代目の娘である倉橋さん。
もともとのお顔立ちもありますが、その和服姿は、みているこちらも思わず息を呑む美しさです。
でも、学生時代の倉橋さんは、それまで大変な思いをして働く両親の姿をみながら、「絶対に家業を継ぐのだけは嫌だ」と思っていたそうです。郷土料理店の娘なのに、着物を着ることはおろか、和のもの一切との関わりを避けるような子ども時代を過ごしました。
さらに、大学も「なるべく遠いところに…」という一心から東京に進学し、就職も東京の会社にするなど、かなり徹底して家業との距離を置こうとしていました。

とあるセミナーに参加した倉橋さんは、「本当の自分自身と向き合う」ことに心を砕くようになったそうです。
「それまで、自分の人生のことを全部、他人のせいにしてきたんですね。でも、会社にも数年勤めて、働くことの意味も分かってきて、何となく先も見えてきて(笑)、恋愛も充実してる25歳という時期に自分ととことん向き合うきっかけが得られたことで、自分が強く思えばいろんなことが変わってくるんじゃないかと思ったんです。それで、いろいろと自分の中でけじめをつけることができたんですね」と倉橋さん。
考え抜いた結果、倉橋さんは家業を継ぐことを決意します。
就職してたった3年での決断。倉橋さんの親である2代目はまず、「OLが嫌になったのか」と尋ねました。倉橋さんが、「とにかく継いでみたいと思った。儲けが出なくていいから、長く続けていけるようなお店として守っていきたい」と応えると、2代目はやっと、倉橋さんが継ぐことに理解を示してくれたそうです。

倉橋さんご夫婦は、東京のホテルニューオータニのなかにある日本を代表する料亭「なだ万」に修行に出、夫は料理、倉橋さんは接客やマネージメントについて、厳しい訓練を受けました。郷土料理店の娘とはいえ、着物の着付けも立ち振る舞いもよく知らない倉橋さん、その苦労はかなりのものだったそうです。
「ああいうところは、お客様が何も言わなくてもすべてのことが行われるように、接客が徹底してるんです。それは大変でしたけど、いくら私が見習いでも、お客様から見れば同じ、“なだ万”の従業員なんですね。本当に夢に見るほど辛かったですけど、一流の接客を叩き込まれたあの期間は、今も大切な財産になっています」と倉橋さん。

帰ってきてすぐ、「青柳」が新しく開店させるお店の準備に借り出され、そこで1年半ぐらい、一から立ち上げていく苦労を経験。
その後やっと「青柳」に入ることとなりましたが、さらに1年半ぐらい、2代目の娘であることをお客様にも従業員さんにも隠しながら、一従業員として修行を積んだそうです。
そんななか、制服とは違う着物を渡されたのがおよそ5年前のこと。以来、名実ともに「青柳の若女将」として活躍中です。
「青柳に入ってしばらくはしんどかったですよ。私もなだ万で修行してきた自負があるものですから、母(2代目)にいろいろと意見したりしてたんです。でもその都度、“うちは東京の接客は望んでない。お客様は、熊本のよさとかあたたかみを望んでるんだから”って言われました。今思えば、そのころの私の接客は、“仕事”ではなく“作業”だったんですね。お客様の気持ちが全然分かってなかったし、分かろうともしてなかった」と倉橋さん。

「人に対する思いやりを持てるようになったんですね。これは飲食店の基本でもあるのに、私は本当にできてなかったんです。心がこもってこそ、お客様を思いやってこその接客です。うちと同じようなお店はたくさんありますけど、ここを選んでよかったと思ってもらうには、どれだけお客様のことを考えられるかだと思います。料理はよくて当然。そこにプラスアルファをつけるのが女将、若女将の仕事です」と倉橋さんは顔を輝かせます。

若女将業での一番の楽しみは、たくさんの一期一会のチャンスがあること。
「今の自分を楽しむこと」を座右の銘に、きょうも倉橋さんは、くまもとのお客様の一期一会を丁寧に、心を込めて演出なさっています。

熊本郷土料理 青柳
熊本市下通1-2-10(城見通り)
営業時間 11:30~22:00(年中無休)
電話:096-353-0311 0120-898925
HP → ● *** 若女将のブログ → ●
Posted by フルスプ**fleursoupe**
│このひとに逢えちゃった!
番外編 フルスプ主宰 冨田昌枝さん
こんにちは。
きょうもあなたの心によどんだ風を吹き込むへろへろ小チェリー@フルスプです。
こちらのブログでご紹介しておりますとおり、フルスプで一番若手で怪しいスタッフのわたしは、主宰のほめほめチェリーさんの指示により、くまもとの素敵な人にインタビューに行って記事にする、というまともな仕事も担当しています。
それで、腕慣らしというか毒下しというか、ウォーミングアップがてら、ほめほめチェリーさんのインタビュー記事を書かせていただきます。あまりの拙筆に腰が砕けることうけあいですが、そこは母のような、姉のようなきもちで受け止めてくださいますよう心底お願いいたします。
左の写真はオフショットですけど、もうその美しさにどきどきです~
あんまりお肌がきれいなんで、「どうやって保ってるんですか?」って聞きたかったんですけど、どーせこの手の内側から輝いてる美人って「特に何もしてないんですよぉ」って教えてくれないんだよなぁ、とやさぐれつつ、その内側の輝きの基を探ろうと試みてまいりました。あまり成功したとはいえないかもしれませんが。
ではでは改めて…
へろへろ小チェリーの この人に逢えちゃった!番外編
fluer soupe主宰 冨田 昌枝さん
花のスープ「フルール・スプ」をつくったひとは、まさに花のような可憐さと、花のような強さをもったひと。
「女性がありのままの姿で輝く場をつくりたい」という強い想いを抱き、
自らも果敢なチャレンジを続ける冨田昌枝さんにお話をお聞きしました。
* * * * * * * *
好きな色はピンク、好きな花はサクラとやわらかな笑顔で語る、正直「年齢不詳」という形容がぴったりな冨田さんは、20歳と17歳の子どもをもつお母さん。元々は看護師として福岡県内の大学病院に勤めていたところ、結婚を機に退職なさいました。
やがて2人の子どもを出産した冨田さんは、子育てを行う過程で、「どうしたらこの子たちを独創性があって自己実現ができる人間に育てられるだろうか」ということをずっと考えていたそうですが、その答えを探し、実証するため、子どもが4歳と1歳というまだ手のかかる時期に、子どもの能力を引き出して自己実現につなげる教育を施す事業を始めました。
冨田さんが自らの子どもを含むすべての子どもたちの能力を伸ばすことを目的とした教室は口コミで広がり、現在も好評を博しています。
そんな冨田さんが次に始めるチャレンジが、この「フルール・スプ」。
「フルール・スプ」はフランス語。和訳すると「お花のスープ」ということだそうです。
これは、ひとはみんな一人ひとりがありのままで素敵な「花」であって、そんな「花=フルール」たちが集まって美しいスープをつくって、みんなで輝いていこう、というプロジェクト。
「誰にでも光るものがあると思うんです。それはみんなが驚くようなすごいことじゃなくて、たとえば掃除が上手にできるとか、ビーズ細工が得意だとか、そんなことでいいんです。日々無意識に楽しんでることが、実はすごく大きな可能性を秘めています。そんな“こと”を、このフルスプで出会ったひとたちで楽しみながら、発信していければと思っています」と冨田さんは語ります。
子どもたちの持つ能力を伸ばすお仕事を“ビジネス”として確立させた冨田さん。今度は女性達がもつ能力をそのまま輝かせるチャレンジを始めるということのようです。
冨田さんの夢は、フルスプを熊本だけでなく、全国、世界に通用する人材・情報を育て、発信していくチームにすること。
単なる“仲良しグループ”ではなく、でも「女性の自立支援」とか大上段に構えるのでもなく、そのままで十分素敵な女性達が互いに輝いていく場にできればという強い気持ちを持ちながら、“ほめほめチェリー”さん、満を持して始動します!
きょうもあなたの心によどんだ風を吹き込むへろへろ小チェリー@フルスプです。
こちらのブログでご紹介しておりますとおり、フルスプで一番若手で怪しいスタッフのわたしは、主宰のほめほめチェリーさんの指示により、くまもとの素敵な人にインタビューに行って記事にする、というまともな仕事も担当しています。

左の写真はオフショットですけど、もうその美しさにどきどきです~
あんまりお肌がきれいなんで、「どうやって保ってるんですか?」って聞きたかったんですけど、どーせこの手の内側から輝いてる美人って「特に何もしてないんですよぉ」って教えてくれないんだよなぁ、とやさぐれつつ、その内側の輝きの基を探ろうと試みてまいりました。あまり成功したとはいえないかもしれませんが。
ではでは改めて…
へろへろ小チェリーの この人に逢えちゃった!番外編
fluer soupe主宰 冨田 昌枝さん

「女性がありのままの姿で輝く場をつくりたい」という強い想いを抱き、
自らも果敢なチャレンジを続ける冨田昌枝さんにお話をお聞きしました。
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好きな色はピンク、好きな花はサクラとやわらかな笑顔で語る、正直「年齢不詳」という形容がぴったりな冨田さんは、20歳と17歳の子どもをもつお母さん。元々は看護師として福岡県内の大学病院に勤めていたところ、結婚を機に退職なさいました。
やがて2人の子どもを出産した冨田さんは、子育てを行う過程で、「どうしたらこの子たちを独創性があって自己実現ができる人間に育てられるだろうか」ということをずっと考えていたそうですが、その答えを探し、実証するため、子どもが4歳と1歳というまだ手のかかる時期に、子どもの能力を引き出して自己実現につなげる教育を施す事業を始めました。
冨田さんが自らの子どもを含むすべての子どもたちの能力を伸ばすことを目的とした教室は口コミで広がり、現在も好評を博しています。

「フルール・スプ」はフランス語。和訳すると「お花のスープ」ということだそうです。
これは、ひとはみんな一人ひとりがありのままで素敵な「花」であって、そんな「花=フルール」たちが集まって美しいスープをつくって、みんなで輝いていこう、というプロジェクト。
「誰にでも光るものがあると思うんです。それはみんなが驚くようなすごいことじゃなくて、たとえば掃除が上手にできるとか、ビーズ細工が得意だとか、そんなことでいいんです。日々無意識に楽しんでることが、実はすごく大きな可能性を秘めています。そんな“こと”を、このフルスプで出会ったひとたちで楽しみながら、発信していければと思っています」と冨田さんは語ります。

冨田さんの夢は、フルスプを熊本だけでなく、全国、世界に通用する人材・情報を育て、発信していくチームにすること。
単なる“仲良しグループ”ではなく、でも「女性の自立支援」とか大上段に構えるのでもなく、そのままで十分素敵な女性達が互いに輝いていく場にできればという強い気持ちを持ちながら、“ほめほめチェリー”さん、満を持して始動します!
Posted by フルスプ**fleursoupe**
│このひとに逢えちゃった!